このページの最後へ 前の項目へ 表紙へ

Section 1: Acorn のハードウェアとオペレーティングシステム


1.1) Acorn とは?

Acorn コンピューターとはイギリスで作られているコンピューターで、作られはじめた当初は 6502 が、現在では ARM プロセッサが搭載されています。 不思議なことに、 Acorn コンピューターは Acorn Computer Group によって作られていました(詳しくは http://www.acorn.com/ を御覧下さい)。 (訳者注:現在は www.acorn.com のサイトは存在しません)

現在製造されている Acorn マシンと、 Acorn によって作られたマシンの全一覧を得る方法は Section 1.2 を御覧下さい。 Acorn は革新的で、そのハードウェア/ソフトウェアが柔軟性や信頼性に富んでいることが知られています。

1999 年 1 月に Acorn Computers Ltd. は Element-14 と社名を変更し、業務内容がよりデジタル TV 向けなものになりました。 Element-14 に関しては、 http://www.element-14.com から情報を得ることができます。

Element-14 はその後、セットトップボックス部門も含めて Pace Micro に売却されました。 つまり、厳密に言うと Acorn はそのブランド名を除き、もはや存在しないのです。 後に、 Pace Micro は Risc OS Ltd. から Acorn の wimp-based (訳者注:ウィンドウベース、という意味だと思います)な OS である、RISC OS のライセンスを受けました。

現在、世界中にある数多くのハードウェア開発企業が RISC OS のライセンスを与えられ、多くの企業が 1999 年後半から 2000 年前半の間に新しいコンピュータを発表しようとしています。

Section 1 を読むことで、 Acorn がどのような用途に向いているかを知ることができると思います。 Acorn が得意とし、主とするマーケットは学校教育ですが、他のマーケットにも進出しようとしていますし、デジタル TV のマーケットにおいては地盤を固めつつあります。 RISC OS の利用例については、 http://www.geocities.com/~banksp/Power/Acorn/RISCOS.html にある文書や画像が参考になるでしょう。

目次へ


1.2) Acorn にはどんな種類のマシンがあるのでしょう?

Acorn が作ったマシンの一覧表は非常に長く、それに書かれているマシンはほとんどが今となっては作られていません。 しかし、この FAQ に書かれている Archimedes もしくは ARM ベースなマシンは現在でも Acorn によって製造されています。(訳者注:現在は、 Castle TechnologyRiscStationが製造・販売している Acorn 互換機しか無いような気がするのですが…) Acorn が作ったマシンの一覧表は、 Philip Banks の email サーバーから 'MachineLst' というファイル名で取り寄せることができます(この email サーバーの使用方法は question 7.4 を御覧下さい)。 下の一覧表は、私が知る範囲での Acorn マシンとその詳細なスペックの一覧です(ただし、最新のマシンを除きます)。

Acorn RiscPC シリーズ

このシリーズは Archimedes と互換性を保ったまま、 Archimedes に取って代わる次世代のアーキテクチャーを持ったマシンです。 このシリーズのマシンは柔軟な設定を行うことができ、 modular system を持っています(このおかげで、さまざまなオプションが発売されました)。 また、全てのマシンが「二世代目の」チップセットとなる VIDC20, IOMD そして ARM6 もしくはそれ以降のプロセッサを搭載しています。 1994 年 4 月 15 日に発表された RiscPC 600 シリーズが、最初のマシンになります。

これらの新しいマシンではプロセッサカードがオプションとして存在し、 A540 で見られたようなユニークなセカンドプロセッサ用のスロットを使用して、全く異なった種類のプロセッサを載せることができます。 例えば 486 を使用したボードを挿すだけで、 native な ARM プログラムと並行して Intel ベースのソフトウェアを動作させることができるのです。 二つのプロセッサは共有したシステムの資源(リソース)から、メモリ等を確保します。 メモリの管理方法も改良され、ページングは常に 4kb 単位で行われるようになりました。

さらに、 podule interface (訳者注: podule は processor module だと思われます)が拡張によって podule 間の DMA 転送が可能になり、また IO システムとのデータ転送幅が 32bit 化されたことで、各 podule が使用できるメモリ空間が大きく広がりました。 これによって IO system を使用したリアルタイムビデオが現実的なものとなり、大量のデータ転送を行うアプリケーションがかなり高速化されました。 これらのマシンはその後3〜6年の間 Acorn を支えることが期待され、実際にそうなりました。

        RiscPC 700 4M HD425
         4096Kb のメモリ
         Advanced Disc Filing System を使用する High Density drive (訳者注: 2HD のフロッピーディスクドライブでしょうか)
         425Mb の IDE ハードディスク
         40MHz の ARM710 プロセッサ
         16 MHz の RAM (訳者注:メモリバスの周波数だと思われます)
         4096k の ROM に納められた OS
         ~32 MIPS (推測値)
      
         RiscPC 700 9M HD425
         4096Kb のメモリと、 1 Mb の VRAM
         Advanced Disc Filing System を使用する High Density drive
         425Mb の IDE ハードディスク
         40MHz の ARM710 プロセッサ
         16 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~32 MIPS (推測値)
      
         RiscPC 700 10M HD850
         8192Kb のメモリと、 2 Mb の VRAM
         Advanced Disc Filing System を使用する High Density drive
         850Mb の IDE ハードディスク
         40MHz の ARM710 プロセッサ
         16 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~32 MIPS (推測値)

Acorn の分裂

1995 年 10 月頃、 Acorn はいくつかの企業に分かれて企業の再構築を行いました。 マシンのモデル名の後にある括弧書きは、マシンを製造した企業の名前です。

        4096k のメモリ(16384kb まで増設可能)
         IP Stack by default, capable of using extra drives as required.
         スマートカードインターフェースを装備
         40MHz の ARM 7500FE プロセッサ
         12 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~35.9 MIPS

        2048k のメモリ(32768kb まで増設可能)
         CDFS
         外部 CDROM ドライブを接続可能
         32MHz の ARM 7500FE プロセッサ
         12 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~28.7 MIPS

         8192Kb のメモリ(256Mb まで増設可能)
         ADFS (訳者注: ADFS を使用する 2HD のフロッピーディスクドライブだと思われます)
         425Mb の IDE ハードディスク
         32MHz の ARM 7500 プロセッサ
         12 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~29 MIPS

         8192Kb のメモリ(256Mb まで増設可能)
         ADFS
         420Mb の IDE ハードディスク
         40MHz の ARM 7500 プロセッサ
         12 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~35.9 MIPS

Acorn の再統合

分裂したメーカーの中で、一部分のメーカーの力が強くなってしまったために Acorn は再び一つのメーカーとして統合されました。 よって、これ以降の説明ではどこの部門がマシンを製造したかについては書かないことにします。全てのマシンは 'Acorn' のマシンとして扱います。

         8192Kb の EDO メモリ(136Mb まで増設可能)
         ADFS
         1.2 Gb の IDE ハードディスク
         48MHz の ARM 7500 FE プロセッサ
         32 MHz の RAM
         4096k の ROM に納められた OS
         ~43.08 MIPS

         4096k のメモリ(256 Mb まで増設可能、また VRAM も 2 Mb まで搭載可能)
         IP Stack by default, capable of using extra drives as required.
         スマートカードインターフェースを装備
         233 MHz の Digital SA110 プロセッサ
         16 MHz の RAM
         8192k の ROM に納められた OS
         ~233 MIPS

目次へ


1.3) ARM プロセッサにはどのような種類のものがありますか?

現在発表されている ARM プロセッサおよびその性能に関する情報は Philip Banks の email server にある、 'ARMChips' というファイルに納められています。 このファイルを入手する方法については question 7.4 を御覧下さい。

目次へ


1.4) RISC OS 3 って RISC OS 2 に比べてどこが新しくなったの?

これに関する情報は Philip Banks の email server にあります。 RO3 (訳者注: RISC OS 3 です) の新しい機能については、 email server から 'RO3diffs' というファイルを取り寄せて下さい(取り寄せ方についてはこの FAQ の最初の方に書いてあります)。

目次へ


1.5) RISC OS 3.5 と RISC OS 3.6 の違いとは?

劇的な変化はありませんが、 FileCore が扱える区画のサイズが増えたことは大きな改善点と言っても良いかもしれませんし、 OS レベルで JPEG が扱えるようになったのも改善点と言えるのではないでしょうか。 それ以外の点に関しては下を御覧下さい :-

目次へ


1.6) RISC OS 3.6 と RISC OS 3.7 の違いとは?

RISC OS 3.6 のように、 RISC OS 3.7 も大きな変更点は無く、細かい部分の改良がほとんどです。 大きな違いと言えるとしたら、 StrongARM に対応するために手が加えられたことくらいでしょうか。 とりあえず、変わった部分を下に挙げておきます :-

目次へ


1.7) RISC OS 3.7 と RISC OS 3.8/4 の違いとは?

RISC OS 3.8 は Acorn のワークステーション開発部門の閉鎖、および Phoebe project が無くなる前に公開された、 RISC OS 4 の開発途中のバージョンです。 しかし、 Acorn ではなく新たに設立された RISC OS Ltd により、新しいバージョンの RISC OS である RISC OS 4 が完成しました。 RISC OS 4 の機能については、 http://www.riscos.com/risc_os_4/Features.html に一覧表があります。(訳者注: URL はこの部分の翻訳を行った、 2000 年 8 月 12 日現在のものです)

RISC OS 4 の新機能を手短に書くと、このような感じになります :-

目次へ


1.8) Acorn の画像表示能力ってどんなもの?

Acorn の全てのマシンはアップグレードが可能なので、下の表にあるような色数や解像度よりもっと多くの色数や解像度を使用することができます。 この表は、 Acorn が販売していたマシンの標準的な性能について書かれたものです。

X Y 色数
640 256 2
320 256 2,4
160 256 4,16

Teletext character graphic mode と 2 つの text only mode が用意されています。 パレットは 16 色から選択することができますが、これより少ない色数を使用するモードでは 16 色から任意の色を、表示できる数だけ選んで表示します。

X Y 色数
160 256 4,16,256
320 256 2,4,16,256
640 250 4,16
640 256 2,4,16,256
640 480 2,4,16,256
1056 250 16
1056 256 16,256
1152 896 2

上を見ると色々な画面モードがありますが、そのほとんどは一般的なモニタで映せるようになっています。 パレットに選択できる色数は 4096 色 (12 bit) ありますが、 VIDC1a は 16 色のパレットレジスタしか持っていません。 つまり、画面に表示できる色は任意の 4096 色中 16 色(もしくは、それ以下)になります。 256 色モードの場合では、色データの 4bit はハードウェアによって固定されています。 結局のところ、このモードでは 4096 色の範囲から指定した 16 色のブロックを 16 個使用して 256 色の表示を行います。 (訳者注:「結局のところ〜行います」の部分の翻訳は間違っているかもしれません)

X Y 色数
160 256 4,16,256
320 256 2,4,16,256
640 200 2,4,16,256
640 250 16
640 256 2,4,16,256
640 352 2,4,16,256
640 480 2,4,16,256
640 512 2,4,16,256
768 288 2,4,16,256
800 600 2,4,16
800 352 2,4,16,256
1056 250 16
1056 256 16,256
1152 896 2

画面表示用のハードウェアは 8MHz の ARM プロセッサ搭載機のものと基本的に同じであるため、パレットの取り扱いについても違いはありません。

X Y 色数
160 256 4,16,256
320 256 2,4,16,256
640 200 2,4,16,256
640 250 4,16
640 256 2,4,16,256
640 352 2,4,16,256
640 480 2,4,16,256
640 512 2,4,16,256
768 288 2,4,16,256
800 600 2,4,16,256,32k*,16M**
896 352 2,4,16,256
1024 768 16,256*,32k**
1056 250 16
1056 256 16,256
1152 896 2
1280 1024 4,16*,256**
1600 1200 16*,256**

* VRAM が 1MB 必要です

** VRAM が 2MB 必要です

Risc PC に Video RAM (VRAM) を追加することにより、表中の * や ** で示された画面モードを使用することができます。 それ以外のモードでは DRAM のみで使用することができますが、 A7000 の場合は上の表に書かれたモードしか使うことができません。 A7000+ の場合はメモリスピードが高速なため、 VRAM が無くても Risc PC に 1Mb の VRAM を載せたのと同じ表示能力を持っています。

さらに、 VIDC20 は 256 個のパレットレジスタを持ち、これは 1,600 万色の中から色を選択することができます(VIDC1a は 16 個しかパレットレジスタを持っていません)。 しかし、どうやって 32,000 色の表示を実現しているかについては明らかにされていません。 なお、ここに書かれているものは標準的に提供されるスクリーンモードで、おそらくこれだけが全てではないはずです…というのも、 Risc PC は画面の解像度と色数を自由に設定することができるのです。

しかし、この柔軟性を活かすためにはモニター毎にモードを定義するファイルを用意しないといけません。 一般的なモニター用の定義ファイルはここにあります :-

http://www.cybervillage.co.uk/acorn/mdf.htm (訳者注: URL はこの部分の翻訳を行った、 2000 年 8 月 12 日現在のものです)

つまり、これらのファイルによって使用できる解像度と色数が決定されるという訳です。 どのマシンにおいても当てはまるのですが、ハードウェアとソフトウェアの拡張によって、この一覧表の修正や追加が起こるでしょう。

目次へ


1.9) RISC OS で仮想メモリは使えますか?

端的に言えば、現在の RISC OS で完全な仮想メモリは使用できません。 その原因は、 RISC OS はほとんどが SVC モードで動作しているのですが、 DataFetch が中断されることによって R14_svc がおかしくなってしまうことがあるためです。 また、これによって SWI (訳者注: SoftWare Interrupt)から復帰する時にもちょっとした問題が起こるのも原因となります。 しかし、これらの問題は ARM2 および ARM3 チップのハードウェアの制限によるものです。 ARM6 以降のプロセッサではこれらの問題が起こらないような特別な memory abort モードを持っているため、これからのマシンや RISC OS では仮想メモリが使えるようになるでしょう。 実際、新しい RiscPC では仮想メモリが実装できるように考えられていますが、それでも RISC OS にとって具合の悪い、 re-entrancy に関する問題が残っています (ファイルから読み込んでいる最中のデータが仮想メモリにページアウトされる状況を考えてみて下さい…)。

しかし、方法がない訳ではありません。 !Virtual というプログラムは、限定された SWI のサブセットを使用して R14_svc から保護することによって、ユーザープロセスで仮想メモリを使えるようにします。 サポートされる SWI に制限があって使いづらい面があるものの、コンパイルやメモリを大量に使用するアプリケーションのような処理を行う時に重宝します。

残念なことに、これはページサイズが 8kb の倍数となる RiscPC では !Virtual を使用することはできません(つまり、 A305 では !Virtual を使えないということです)。

もう一つ、 RiscPC 向けには商業的なものになりますが Clares Micro Supplies の Virtualise があります。 このプログラムは dynamic area に仮想メモリを設けるものです。 dynamic area にデータを保存したり、そこにあるデータを操作したりするようなソフトを使えば使うほど、このプログラムが便利に思えるでしょう。

目次へ


1.10) Acorn で動く、 Linux の現状はどうなっていますか?

Linux の開発ペースが速いため、この FAQ では細かいところまで書くことはできません。 最新の情報を知りたい方は以下の web page にアクセスするか、もしくは移植を行っている方にメールでお問い合わせ下さい。 :-

Native Linux (訳者注: ARM プロセッサで動作する Linuxです)のページ :-

http://www.arm.uk.linux.org/~rmk/armlinux.html (rmk@ecs.soton.ac.uk)

PC card Linux (訳者注: PC カードに搭載された、 486 等の x86 プロセッサで動作する Linux です) :-

http://www.ph.kcl.ac.uk/~amb/linux.html (amb@physig.ph.kcl.ac.uk)

Acorn Clan disc をお持ちで、 ArmLinux をインストールしてみたい方は、http://www.vigay.com/riscos/linux.html にある Dummies Guide to Installing ArmLinux も御覧下さい。

目次へ


1.11) RISC OS にはどんな 'Easter Eggs' がありますか?

Acorn の OS は、 OS の開発に関わった人達の名前がこっそり書き込まれているという伝統があります。 BBC Model B の ROM にはその開発に関わった Fred, Jim そして Shelia の名が記されていました。 この伝統は、 ARM を搭載したマシンでも受け継がれています。

RISC OS 2.00

RISC OS 3.00

RISC OS 3.10 & 3.11

RISC OS 3.50

	REM Extract Names and Pictures from RISC OS 3.50, 3.60 and 3.70 ROMs
	REM
	REM Based on an original program (for RISC OS 3.50) by Nick Craig-Wood.
	REM Updated by Matt Rix <BigRISC@CyberJunkie.Com
	SYS "OS_Byte",129,0,255 TO ,version%
	CASE version% OF
		WHEN &A5: S=&1F47AC :REM RISC OS 3.50
		WHEN &A6: S=&358F18 :REM RISC OS 3.60 - Thanks to Terry Adams for finding this
		WHEN &A7: S=&3A0868 :REM RISC OS 3.70
		OTHERWISE: ERROR 0,"Cannot run on this ROM version.":END
	ENDCASE
	S+=&3800000
	E=S+&3130
	O=65536

	SYS "Squash_Decompress",%1000,-1 TO Q
	DIM R Q,P O
	SYS "Squash_Decompress",%0100,R,S,E-S,P,O TO,,,,,U

	path$="Pipe:$."
	piccy$=path$+"Pictures"
	names$=path$+"Names"
	run$="Filer_Run "

	SYS "OS_File",10,piccy$,&FF9,,P+8,P+P!4+8
	SYS "OS_File",10,names$,&FFF,,P+P!4+8,P+O-U
	
	OSCLI "SetType "+piccy$+" Sprite"
	OSCLI "SetType "+names$+" Text"

	OSCLI run$+piccy$
	OSCLI run$+names$
	END

RISC OS 3.60

RISC OS 3.70

RISC OS 3.71

RISC OS 4.02

目次へ


1.12) Acorn で動く、 RiscBSD の現状はどうなっていますか?

RiscBSD の開発ペースが速いため、この FAQ では細かいところまで書くことはできません。 RiscBSD とは、 UNIX 系 OS の一つである NetBSD を RiscPC へ移植したものです。 最新の情報を知りたい方は以下の web page にアクセスするか、もしくはメーリングリストでお問い合わせ下さい。 :-

Risc BSD のページ :-

http://www.ph.kcl.ac.uk/~amb/riscbsd/ (amb@physig.ph.kcl.ac.uk)

RiscBSD メーリングリスト :-

listserver@ic.ac.uk メッセージ本文に "subscribe riscbsd <本名>" を書いて下さい。

目次へ


1.13) RISC OS 3.8/Ursula とは何でしょう?

Acorn がワークステーションの開発を中止してデジタル TV へ焦点を合わせる前の頃、新しいマシン (Phoebe) で使用する OS です(この OS には Ursula というコードネームが付けられていました)。 開発者は評価およびβテストの目的で、(Ursula と呼ばれた) RISC OS 3.8 にアクセスすることができました。 RISC OS 3.8 は主に ARM 710 搭載機で使用できたものの、いくつかの StrongARM 搭載機で動作するバージョンが存在することが知られています。

目次へ


1.14) Lazy Task Swapping とは?

RISC OS 3.5 や 3.6 を搭載したマシンでは、大きな wimpslot を使用するアプリケーションを動作させた時にレスポンスが悪くなるということがありました。 これは、 4k バイト単位のページサイズで、アプリケーション全体分のメモリをページインしようとするのが原因であることが分かっています。 RISC OS 3.7 ではページインを行う方法を変更したために、この問題は改善されています。

RISC OS 4 では、 Lazy Task Swapping と呼ばれる新しいページインの方法を採用しています。 これは「デマンドページング」とも呼ぶことができ、全てのメモリ空間ではなく「必要な部分の」ページが与えられるようになっています。 つまり、物理的なメモリ空間において大きなアプリケーションが分割して存在しているようなことがあっても、アプリケーション自体はそのことを意識する必要はないのです。

ただちょっと困ったことに、いくつかの StrongARM プロセッサでは(ある状況下で) Lazy Task Swapping に失敗することがあります。 これは StrongARM の revision T より前のもので起きるため、該当するプロセッサでは Lazy Task Swapping を使用することはできません。

目次へ



次の項目へ このページの最初へ