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Section 10: Risc PC の PC Card について

この章を読むにあたって注意してほしいことがあります。ここで取り上げられている Emulator software というのは Risc PC の PC Second Processor Card を制御するソフトウェアであって、 Acorn の Software PC Emulator という古いソフトウェアではありません。

10.1) Emulator software の最新版はどこにありますか?

PC card のオーナー向けに公開されているものの最新版は version 1.92 で、これは Aleph1 の FTP サイトおよび web サイトで入手することができます。(http://www.aleph1.co.uk/) これはメモリを最大 32Mb まで使用することができ、カラーパレットを自由に定義できる(訳者注:原文では fully redeifnable となっていますが、多分こういう意味だと思います) 256 色モードと、 SCSI 機器を直接アクセスすることができる機能が追加されています。

この手のソフトウェアで最も新しいもの (v3.03) は PCPro という名の商用ソフトウェアとなっています。 新しく追加された機能として、StrongARM との互換性が強化されたことと高速化、 VESA のドライバ、高速化のための共有メモリシステムの修正、 Windows 95 対応のための改良、 DirectX ドライバの提供等が挙げられます。 これについての詳細も Aleph1 の web サイトで知ることができます。

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10.2) PC Card を使った後はシリアルポートが使えなくなっちゃうんですけど…

PC Card 制御用のソフトウェア (emulator) v1.87 で、 emulator からシリアルポートを使用するために 'Direct Serial' を選択した場合には、 emulator を終了させてもシリアルポートを使ったままになってしまい、 RISC OS から使えなくなるという状況が発生します。 しかし、 !PC486.!Run というファイルの最終行のコメントを外すことで、とりあえずこの問題を解決することができます。

Run <Diva$Dir>.!RunImage

|uncomment the next line if you need to use the serial port after using !PC

| RMreinit SerialDeviceDriver

この部分の、 RMreinit SerialDeviceDeiver の行を次のように、コメントを外してしまえばよいのです。

Run <Diva$Dir>.!RunImage

|uncomment the next line if you need to use the serial port after using !PC

RMreinit SerialDeviceDriver

これで、 emulator を終了させると RISC OS にシリアルポートの使用権が戻るようになります。 v 1.91 ではこの問題は解決され、きちんと動くようになっています。 最新版は Aleph1 の FTP サイトから入手することができます。

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10.3) 256 色モードで Windows のプログラムを動かすと色がおかしくなるのは何故?

これは、 Windows mode definition string の色数を指定する部分の後に「p」を付け忘れているために起こります。 Windows を emulator 上で、 1024 × 768 の解像度かつカラーパレットを使用した 256 色モードで使いたい場合は次のように記述して下さい :-

x1024y768c256p

行末に p が付いていることに注意して下さい。

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10.4) PC Emulator で利用できるメモリはどれくらい?

v1.86 までは 16MB が限界です。 v1.87 以降では 32MB まで使えるようになっています。 しかし、何故かはよく分からないのですが 16MB 以上のメモリを割り当てる場合は 4MB 単位になってしまいます。 よって、指定できる値は、 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 20, 24, 28 そして 32MB となります。

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10.5) PC Card 上で Windows95 は動きますか?

動きますが、(本来動作させるべき環境である) IBM PC に比べるとインストールが少し面倒です。 Win95 のインストールを行う時は Custom setup を使用してハードウェアを選択できるような状態にしておき、ビデオカードのドライバを導入する部分では標準 VGA を選択して下さい。

注意すべき部分はこれだけです。 インストールが終わったら、 Windows 3.11 の時と同じやり方で Arm video driver をインストールして下さい。 特に、 Windows 95 向けの ARMDRV v1.99 ではアイコンの再描画にまつわる問題が修正されていますので、インストールしておくと良いかもしれません。

PCPro で Win95 を使用する際にインストールするファイルには、 Windows video driver の他に Sound Blaster emulation も入っています。 このカードを使用した場合の Windows 95 のインストールに関しては、書かなくても大丈夫でしょう。

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10.6) PC 用の区画の大きさは変更できますか?

もちろん、可能です。 ですが、この作業は非常に危険なので、区画の中身を消しては困るような状況では絶対にやらないで下さい。 念のために区画の中身は予めバックアップを取っておき、最悪の場合は全てを再インストールする覚悟を持って作業を行って下さい。

まず最初に、区画の先頭にファイルを集めるために PC 側で Defrag を実行します。 これは DOS から行うと良いでしょう、というのも、 Windows 95 から実行した場合は shutdown を行うことで折角集めたファイルを再びぐちゃぐちゃにしてしまい、大きさを変更する際に問題を起こす可能性があるからです。

次に、区画の大きさを変更するための BASIC program を RISC OS 上で動作させます。

REM Resize parition file.
chan=OPENUP("Drive_C")
EXT#chan=<new size in bytes>
CLOSE#chan

ファイル名をお使いの PC 区画の名前に、また変更したい大きさを各自設定して使って下さい。 区画の大きさを増やす分には問題が無いのですが、小さくする場合は中に含まれているファイルも一緒に消してしまわないように注意して下さい。

最後に、区画の大きさを変更したら PC を起動し、 PRESIZER.EXE を実行して下さい。 これは DOS 区画の大きさを調整するツールで、新しい区画の大きさに合わせて区画テーブルと FAT を修正してくれるものです。

注意:くどいようですが、これは非常に危険な作業であり、区画内のデータを全て消してしまうこともあり得ます。 また、区画の大きさを増やしたという話はあるものの、減らしたという話はありません…実際に試して動いた方は是非お知らせ下さい。

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