ハンディ機をあまり増やさないようにしようと思っていたのですが、安かったのと、AT1846S/RDA1846とは違う石が載っているという噂(Youtubeのコメント)を聞いたのでそれを確かめる理由でRetevis RT85を買いました。
お値段の割に質感は良い感じです。しかし今まで分解してきた機種と違い、分解した事がバレちゃうシールを付けてくるようになりました。遠慮なくひっぺがして開けますけど。
TYT TH-UV88のラベル替えではないか…とこれも同じYoutubeのコメントにありましたが、基板のシルクにAUV88VK VER 1.3とあるのでその可能性は高そうです。むしろCPSを覗くとTH-UV88の文字列がそのままあったりするので、可能性が高そうどころかそのものかもしれません。
分解手順は、
- ボリュームのツマミ・アンテナ・バッテリーを外す
- 本体下部のネジ2本を外す
- アンテナを留めているリングを外す(ここまででケースから外せる)
- 金属シャーシと基板を留めているネジを5つ外す(5つ目はLCDの裏に隠れているので注意)
- ボリュームを留めているリングを外す
- ハンダごてを使用しアンテナ端子を外す
という二度とやりたくない、手間のかかるものです。5つ目のネジは本当に罠としか言えません…LCD自体はプラスチックの爪で基板に留まっているので軽く力を入れれば外せますが、フレキシブルケーブルを痛めないよう注意が必要です。
ここから子細に見ていきます。例によって雑な写真ですが…
チップの型番が読めるよう、チップだけ拡大して撮ったものもあります。妙なアングルなのは、照明の都合と型番だけ読めれば良いという理由です。
ざっとまとめるとこうでしょうか。
- 制御用MCUの表面は削られており型番が分からない
- 噂どおりBEKEN BK4815Qが使われている
- BK4815Q→2SC3356(R25)→HE3078(H3)→HTL7G06S006P(H0606E)、DM-1801と異なりHTL7G06S006P(H0606E)のみ144/430MHzに分かれている
- 小さい方のR25は2SC4226?何故か見つけたVV-898S service manualという名の回路図(PDF)を見ると送信でも受信でも使われるようなので、RT85では受信用と推測
RT80でもFMラジオは聞けますが、無線機/ラジオの切り替えが面倒なのと受信範囲が87.5MHz〜108.0MHzと狭いのが難点です。RT85では65.0MHz〜108.0MHzと広いものとなっており、切り替えも楽なので電波の出せるラジオとしては良いです。とはいえ、標準付属品のアンテナを付けた状態で比較するに、RT85の方が感度が少し弱いです。
この作りでこれだけ安いと(スプリアス面での評価がまだですが)RT85やTH-UV88はBaofeng UV-5Rのライバルになり得るんじゃないか…と思っていたらIs the TYT-TH-UV88 a Baofeng UV-5R Killer?(podcast)やTYT TH-UV88 versus Baofeng UV-5Rのように同じようなことを考える人が既にいるようで。
あと、細かいことをいくつか。
RT85に書き込まれていたファームウェアの更新は、How to update Retevis RT85 Firmwareを参考にhttps://www.ailunce.com/ResourceCenter/から最新版を落とします。書き込まれていたバージョンが1.33で、現時点の最新版が1.35…ファームウェア書き込みプログラムにはModel: 5W/10Wの選択がありますが、これは5Wを選びます。TYTの場合はTH-UV88(5W)/TH-UV98(10W)で選ぶようになっていたので、この辺りは適当に使い回しなのでしょう。
RT85をリセットしてから気付いたのですが、実はVFOが使えません(この表現は正しくないのですが、ここではそういうことにしておきます)。なので、基本的にはDMR機と同様にCPS経由で周波数を書き込んで使うことになります。VFOを使わなくても200chものメモリがあるので、20kHz毎に周波数を記憶させておけば実用上問題無いはずです。まだ試してはいませんがCHIRPが対応しているので、Excel等で作ったCSVを流し込めるでしょうし。
スプリアスを測定し保証認定取って変更申請(増設)を出すかどうかは、気が向いたら考えます。53.10kg(09:50)